どうも、ふわです。
『永世乙女の戦い方』14巻が発売されたので、
改めてこの作品の感想を書いてみようと思います。
▼ 最新刊(14巻)はこちら
本作は、女流棋士に焦点を当てた将棋漫画です。
プロ棋士、奨励会員、アマチュア、
そして女流棋士と、将棋界に関わる様々な立場の人が
絡み合いながらストーリーが進んでいきます。
「女流棋界」という世界をかなりリアルに理解できる作品です。
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読みやすさが段違いの将棋漫画
将棋漫画というと、
独特な画風だったり盤面中心の描写が多かったりと、
どうしても人を選ぶ部分があります。
ですが本作は、
絵がきれいでかわいく漫画として非常に読みやすいのが大きな魅力です。

盤面の解説もしっかりありますが、
それ以上に心情描写が丁寧です。
対局中に「まだ詰んでいないから大丈夫」と追い込まれる局面では、
実際に崖っぷちに立たされ、今にも落ちそうになる描写を重ねてくるなど、
盤面以外でも状況や心理が直感的に伝わります。
将棋を知らなくても自然と入り込める構成です。
将棋の専門知識がなくても
「何が起きているのか」が分かるため、
将棋漫画に苦手意識がある人でも読みやすいと思います。
カバー裏の詰め将棋も楽しい
地味に嬉しいのが、
単行本のカバー裏に詰め将棋が載っている点です。
カバー裏にイラストや小ネタがある作品は多いですが、
詰め将棋が収録されているのはかなり珍しく、
将棋好きにはたまりません。
さらに面白いのが、
登場キャラクターが「解いてみた」スタイルで描かれていることです。

※作品の楽しみを損なわないよう、詰め内容は載せていません。
キャラクターごとの考え方や性格が出ていて、
おまけでありながらちゃんと作品の一部として楽しめます。
本編を読み終えたあとに少し頭を使う時間があるのも心地よく、
単行本ならではの楽しみ方ができるのも、
この作品の魅力の一つです。
女流棋界のリアルな描写
この作品が特に優れていると感じるのは、
女流棋士のリアルさです。
タイトル戦や対局だけでなく、
聞き手の仕事をしたり、イベントに参加したりと、
華やかさの裏での日常の描写がしっかりあります。
さらに、アマチュアに負ける現実も描かれており、
「プロ棋士とは違うが、決して趣味ではない」という
女流棋士の立場が分かりやすいです。
夢だけでは語れない世界が見えるからこそ、
キャラクターの努力や葛藤がよりリアルに感じられます。
将棋漫画の中での立ち位置
将棋漫画といえば、
天才主人公が一気に駆け上がる王道の成長物語や、
人間ドラマに寄せた作品が多い印象です。
その中で『永世乙女の戦い方』は、
女流棋界という明確な切り口を持っているのが特徴です。
派手な逆転劇や圧倒的才能ではなく、
努力と心の揺れを積み重ねていく物語です。
読んでいて「等身大の将棋世界」を感じられます。
スポ根でもファンタジーでもなく、
心理描写と人間関係に寄った将棋漫画だと思います。
印象に残った対局 ― 4巻 夏木先生戦
個人的に一番刺さった対局は、
4巻の夏木先生と香の対局です。
単純な実力勝負というより、
夏木先生のプライド、葛藤、そして後悔が前面に出ていて、
対局というより「人生の分岐点」を見ているような感覚でした。

勝敗だけではなく、ここに来るまでの積み重ねや、
「もう一度やり直せるなら」という思いが
盤面越しに伝わってくる対局です。
本作の人間ドラマの強さを象徴する一戦だったと思います。
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主人公・香の魅力
物語の中心にいるのは、やはり主人公の香です。
香は物語開始時点ですでに女流棋士なので、
いわゆる「ゼロからの成長」ではありません。
それでも、
相手を理解しようとする姿勢や、
「うまく指せた感覚」を再現しようとする思考の積み重ねが、
丁寧に描かれています。
さらに印象的なのは、香が
一人で強くなっていくわけではないという点です。
親や師匠、周囲の人の言葉や対局を通じて
少しずつ気づきを得ていく姿が描かれています。

その積み重ねが自然な成長として伝わってきます。
単純な棋力の上昇ではなく、
考え方や心構えが少しずつ変わっていく成長が見えるため、
将棋を知らない読者でも理解しやすいです。
空ちゃんというキャラクターの魅力
数多くの魅力的なキャラクターが登場しますが、
個人的に一番好きなのは空ちゃんです。
奨励会二段という実力を持ちながら、
精神面ではまだ子供でプライドも高い。
最初は女流棋士を見下していましたが、
香や塔子さんとの対局を通じて考え方が変わっていきます。
特に、塔子さんが敗勢を悟りながらも必死に指し続ける姿を見て放った
「そんな、必死に、指すなんて聞いてない。」
というセリフは、本当に印象に残っています。

「強い若者の未熟さ」と「現実を知る瞬間」がここまで自然に描かれているキャラクターは、
将棋漫画の中でもかなり珍しく感じました。
14巻時点の感想
14巻ではタイトル戦の途中で終わるため、
「本当に次の対局は成立するのか?」
「天野先生は大丈夫なのか?」と、
続きが気になりすぎる終わり方です。
読後すぐに続きが読みたくなります。
次は2026年の6月ごろ発売とのことなので、今から楽しみです!
まとめ
すでに14巻まで出ているため、
今から読むのは長いと感じるかもしれません。
ですが、読み始めると本当に一瞬で読めてしまう作品です。
楽しいだけの漫画ではなく、
嫉妬や羨望、プライド、挫折といった感情がしっかり描かれている一方で、
キャラクターのリアクションはコメディチックで、
気持ちが重くなりすぎないのも大きな魅力です。
真剣なのに読みやすく、
軽やかなのにちゃんと考えさせられる。
将棋漫画としても、人間ドラマとしても完成度の高い一作だと思います。
将棋漫画が好きでまだ読んでいない人には、
かなりの確率でハマる作品です。
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