どうも、ふわです。
全てを賭けた大勝負に負けた人は一体どうなるんだろう
タイトルのオールインとは、カジノ用語で有金の全てを賭けて勝負することです。 著者の天野さんは、自分の人生全てを将棋のプロになることに賭けました。
この本はそんな天野さんの大勝負について書かれたノンフィクションの作品です。
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天才と呼ばれた男
将棋のプロになるには、奨励会で勝ち星を重ねて四段になる必要があります。
三段までは勝ち星があれば誰でも昇段できるのですが、四段には誰もがなれるわけではありません。
四段になる為には、三段同士で半年間のリーグ戦を戦い上位2名に入らないといけないのです。
著者の天野さんは、この三段リーグに16歳で到達した天才です。
16歳で三段というのはかなり凄く、一流棋士でもこの年齢で三段に到達した人は 多くはありません。
天野さんはそんな自分の力を信じて、プロになる事を確信していたので中学卒業後は高校へ行きませんでした。いずれプロ棋士になるのだから、別に高校を出ておく必要はないという考え方です。
しかし、彼はそこから10年以上もプロ棋士になれませんでした。
若さゆえに、お酒やタバコ、遊びに夢中になり、将棋に没頭することが出来なくなったのです。
そしてその結果、26歳という年齢制限により奨励会を去ることになります。
天才と呼ばれた青年でも、才能だけでは プロ棋士になることは出来なかったのです。
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ネバーギブアップ
奨励会を退会した天野さんに残されたのは、やはり将棋だけでした。
そこで、将棋の普及に関わる仕事を始めた天野さんに再び試練が舞い降ります。
それは、舌ガンの発病です。
若い頃からお酒やタバコを嗜んでいた天野さんは、ガンという重い病におかされてしまったのです。
しかし、天野さんは 諦めずに舌ガンと戦い、舌の大部分を取り除く大手術も乗り越えます。将棋では負けを察すると諦めが早い天野さんでしたが、人生のここぞという時ではネバーギブアップの精神で戦い続けたのです。
そして、戦いを終えた天野さんは「終焉の美学」について考えます。
今までは全て自分の為だけに生きてきた天野さん、しかし最後は人のために生きることを目指していきます。
逆境の中でも決してあきらめずに、新たな道を進んでいこうとする天野さん
そんな彼の姿は、とても偉大でカッコいいと思います
まとめ
生々しい描写も多いですが、三段リーグと闘病生活が余すことなく書かれた名作です。
将棋に全てを賭けた男の人生の大勝負をぜひ、あなたの目で確かめてください。
最後にこれは本に書かれていないことですか、著者の天野さんは舌ガンの再発により昨年(2015年10月27日)亡くなられました。
自分一人で動けなくなっても大会に出続けた天野さん
その姿は多くの人に勇気を与え続けていたと思います。
最後まで自分の道を歩いていた天野さんを尊敬すると同時に、ご冥福を心よりお祈りもうしあげます。